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裸の冬「イラスト分析1」・・・代表的凌辱場面を考察する.. [裸の冬]

今回、ご紹介のキャラは、男性にとってある意味「理想的」な女性。
「裸の冬」主人公の白骨紅になります。


白骨紅は、本作の主人公の女性。
東京育ち。
年齢二十七歳。
身長百七十センチ。色白で容姿端麗。鼻筋が通っている。夫の拝郷によれば、端正な容貌、充分に発達した肢体の持ち主です。
紅の父は弁護士。母は専業主婦。母親は紅が十五歳のときに病死、父親は五年後に同じく他界(後追い自殺ともとれる記述あり)しています。
ちなみに、紅姓は日本には紅一家しか現存していません。
それは紅はBC五千年前のメソポタミア文化圏からつづく阿羅木一族の末裔で、紅の葉脈を残すため、1200年間の近親相姦の積み重ねから成り立っていた家系だったからです。

余談ですが、黒人船員のピートからは、三百ドルで買う価値がある、白人よりうつくしいと評され、アラブの大富豪アブドル・マルカーンからは、膚には他国の女にはないなめらかさがある。漆黒の髪もうつくしい。泣きたいほどのうつくしさを紅に見出したと、評されています。
ちなみにマルカーンからは、紅は「弾力のある膣の持ち主」と、名器であるとの認定もされています。


さて白骨家というと、第一印象では古くからの家系の、奥ゆかしい血筋の女性、男性経験も旦那だけといった典型的古典的日本女性というイメージが強そうですが、読んでいくと徐々にあれあれ?と違和感を感じていきます。

西村作品で奥ゆかしい(奥ゆかしそう)女性キャラを一人あげろといえば、作品”わらの街”の「保月志津」でしょうか。
人妻、色白で従順なところが某掲示板で男性読者の支持を集めているようですが、この紅は”はじめは人妻ってキャラ被り?”、”志津ふたたび?”と志津ファン読者に期待?させておいて、冒頭から大どんでん返し(とっても強い女武闘派)の展開が、真逆の「いい意味」でのワクワク感をもってスタートしていきます。

紅は強そうなだけでなく実は男性経験豊富かも…と予感させるのは、例を挙げればきりがなく、”紅って複数プレイの経験者?”とか、”実は近親相姦願望がある?”とか、”ショタ好きの気がありそう?”とか、あとは寿行作品でお馴染みの”巨根好き”とか…ですね。


そういった予備知識を踏まえて、本作の検証を進めていきます。
まずは物語の根幹たる紅姐さんの簡単な説明から。

白骨紅は、性交の絶頂時のみ、興奮で体のある部分に「サイン」が浮かび上がります。そのサインというのは、鮮やかな紅色の痣(作者曰く、”血の葉脈紋様”)のです。

紅目線でいえば、この痣を出せる男性はまだいいのですが、出せない男性にはせっかく許してやったのに、叱咤激励の、まさしくズバリの駄目出しとなるわけです。
せっかく紅姐さんがその気の、千載一遇のチャンスを不意にするダメ男の烙印を押されちゃうことになります。

そういう人物設定の紅姐さんの身に大事件が起こります。
いきなりの拉致監禁です。
しかも白昼堂々、自宅からという強引な拉致り方をされるのでした。

なぜかこの相手、ヘンリー日高一味は白骨家の一子相伝、極秘中の極秘としていた痣の秘密を知っており、わざわざ紅姐さんをその場で全裸に剥いて拉致するのです。
いやがおうにも、男性読者の期待は昂まる序盤の展開ですが、御大はその期待を裏切りません。

そんな男性読者の期待を一身に背負った紅姐さんですから、作中では旦那以外の、逞しい男たち相手にたくさん痣を出しまくります。
彼女がこんな目に遭うのは、このサインに実はとっても深い意味があるからなのですが、それにしても紅の体に群がる男たちの数が凄い。
凌辱役の男たち「館と仲間」三人を皮切りに、お次は中東までの拉致に使われたタンカーで、監視役の館、陽気な黒人船員ピート。
それから本命、拉致の黒幕たるアラブの大富豪となります。
それと、サインに関係ないとはいえ、大富豪に使えていた少年、そして三人の巨漢のノルウェー人もご相伴にあずかっています。
拉致されてわずか一ヶ月かそこらで、それまで旦那しか知らなかった(?)紅姐さんが一生でも余るほどの男性経験をしてしまう…。
なんて淫猥な人生でしょう。

このように、紅は逝ったことが相手に丸わかりなので、秘密が秘密じゃなくなったとたんに我も我もと次から次と男たちに群がられてしまいます。
美しい女の宿命ってやつでしょうか。
美しさって罪なんですね(美しいから罰せられる→美しくない人は罰せられない→人生って平等…はは)


あくまで個人的なイメージですが…紅というと”小顔のショートボブ”、逢魔麻紀子、槐帰雲と並ぶ三大女武闘派設定なので(かな?)、”鍛えて締まった細身のボディ”・・・にも関わらず「乳房と尻が豊か」で、”白い肌のボーイッシュな若い人妻”…を想像してしまいます。

でも裏の貌は、実は男性経験もそこそこあって、頭では感じまいとしても、やさしくされるとすぐその気になっちゃう下半身ルーズな(男に都合のいい)ダメな女。

そんなところでしょうか。




物音がして、白骨紅は貌をあげた。
四人の男が侵入していた。
紅はテーブルの片づけをしていた。昨夜、夫が同僚を連れ戻って、おそくまで飲んだそのあとかたづけであった。
四人の男は無言で押し入ってきた。
紅は男たちをみた。殺気立っている。表情がゆがんでいた。紅は楊子を手にした。男たちが何者かはわからない。わからないが、紅を目ざして押し入ったことははっきりしていた。押し入る家をまちがえたのではない。夫に何かをしようとして押し入ったのでもない。四人の視線は紅に集中している。
紅は男たちを咎めはしなかった。
その余裕はなかった。
右手の指の間に二本の楊子を挟んだ。左手には果物ナイフを握った。
紅の右手が小さく動いた。指の間に挟んだ楊子が疾って、紅を掴もうとした男の右目に突き刺さった。男は短い悲鳴を放った。つづいて紅の手が動いた。もう一人の男の右目にも同じように楊子が突き刺さった。
紅はナイフを投げた。
三人目の男の胸にナイフは突き刺さった。狙ったとおりに正確に心臓に突き刺さっていた。しかし、その男は小さくうめいただけであった。ナイフを抜いて掴みかかってきた。無傷のもう一人の男が背後に回った。
紅はねじ伏せられた。
その場で全裸にされた。手足を縛られ、口には粘着テープを貼られた。
右目をつぶされた二人の男がうめいている。押さえた指の間から血と硝子体液がしたたり落ちていた。
五人目の男が大型トランクを持って入ってきた。紅はその中に押し込まれた。
(第一章 葉脈の紋様 1項)

物語の冒頭で、驚くべき紅の武闘派としての実力が明らかにされます。
彼女の両手はあらゆるものを正確に高速で飛ばし、武器にすることができるということです。



紅の指は魔力を秘めていた。母に教えられた魔力だった。もの心ついたときから紅は指を使って相手を仆す術を教え込まれていた。楊子一本あれば大の大人をたやすく仆せる。パチンコ玉が一個あれば相手の額を割ることもできる。
(第一章 葉脈の紋様 3項)
彼女の両手は指で摘めるものならそれを正確に高速で飛ばし、武器にすることができるという能力を秘めています。
この能力は母から教えられたものでした。

これはまるで、複数の迎撃目標に対し、対空ミサイルを同時に発射・攻撃できるイージス艦のようです。
敵の領空侵入に際して、紅はこのイージス能力をフルに発揮します。
三人の男に、連続してミサイルを発射し、そのことごとくが敵の急所に命中するのです。しかし、いかんせん、ミサイルとは異なり、一撃で撃破ということはできず、イージス艦”紅”は三機の攻撃機に損害を負わせわするも撃墜はできませんでした。
心臓にナイフを刺しても行動不能にすらできないということは、敵は紅の能力を知っており、その対策を練っていたと思われます。
その分析については、のちほど述べます。

侵入者たちはいわゆる「飽和攻撃」と呼ばれる手段をとりました。
それによって紅のイージスシステムは破綻してしまいます。
例えれば、四人の男たちは冷戦時代のソビエトの攻撃機で、アメリカの空母機動部隊に対する攻撃手段として、機動部隊のミサイル迎撃能力を超える大量のミサイルを放つ(同時に襲いかかる)ことによって、空母を撃沈する(この場合は紅を拉致する)という戦術をもって襲いかかったのでした。
その結果、男たちの作戦計画通り、紅はねじ伏せられ、全裸に剥かれ、手足を拘束され、声すら出せなくされ、まんまと拉致されてしまったのです。

「全裸で拉致」という状況は、このあとに紅を待ちうける運命は男たちからの凌辱しかあり得ず、全裸で拉致されるという表現と服を着たまま拉致されるのでは、読者が受ける意味合いはまったく変わってしまいます。
冒頭から読者の心をがっちり掴む、寿行ワールド炸裂ということですね。

実はこのときの拉致の犯人たちですが、いまでは致命的と思われる証拠を残してしまっています。
それは「血と硝子体液」です。
ただし、この時代の日本では、まだDNA鑑定の技術がいまほど確立されてはいないため(1991年に証拠採用はじまる)、せいぜい血液型がわかる程度の価値しかありません。
それ故、警察の捜査初期段階では犯人につながる情報は得られず、捜査に進展がない状況に陥ってしまうのです(紅救出が後手後手に回る)。



長い間、車は走っていた。
紅は瞳を閉じていた。拉致される理由がわからない。思いあたることはない。夫かもしれないという気がする。夫の拝郷樺介は警視庁に勤務している。紅を拉致して何かの交換に使うのかもしれない。
だが、それにしても乱暴すぎた。捕らえていきなり全裸に剥いたのは異様だ。かりに交換に使ったところで、このことを拝郷が知れば拝郷はかならず報復に出る。そういう男であった。押し入った男たちはそれくらいのことは知っていなければならない。
ーあるいは、殺すのか。
刑事の妻を拉致にかかるのだから、男たちは拝郷の性格くらい知っていよう。これは交換ではなくて拝郷への報復かもしれない。
車は走りつづけている。
拝郷と知り合ったのは約一年前であった。拝郷の運転する車と紅の車が接触した。きっかけはそうだった。短い交際があって、一緒になった。たがいに身寄りがなかった。それもあって、紅が拝郷の家に移った。親譲りの拝郷の家は国立市の外れにある。敷地はかなりあるが家はボロ屋だ。
庭も荒れはてている。
拝郷はそういうものにはかまわない。
共同生活をはじめて四ヶ月になる。
籍は入れていない。
短い共同生活であった。
(第一章 葉脈の紋様 1項)

ここで驚かされるのは、全裸で拉致されているにもかかわらず、紅が異常なくらい落ち着き払っていることでしょう。あの逢魔麻紀子ですら、中垣に全裸で股間を弄られ、泣かされたのに、です。

ここで想像してみます。
白骨家代々の言い伝え、一子相伝の秘密について。
彼女は母親から、どんなことがあっても痣の秘密は他人に知られないようにといわれていました。
そのため紅も、男性と夜を過ごすときは細心の注意を払いながら抱かれていました。
それなのに、自分と母以外誰も知るものがいないはずの秘密をなぜ他人が知っているのか。
本作は大変複雑な物語ですが、ネタバレを気にしない人だけにご説明すると…。
黒幕のアラブの大富豪が、意識を遙か過去に遡らせられるガスの存在を知り(ある種のタイムマシン)、そのガスが噴出する洞窟の在処を知ろうと、画策します。
その場所を知るには、自分と同族である日本の女性に自分の胤を孕ませ、二人の故郷である「アラーギの丘」に立たせ、大昔の記憶を呼びさませばよい。
そのための紅の拉致であり、第四夫人と称して胤つけ専用性交奴隷として必要とされたのが紅でした。



マルカーンの妾になることは避けられない。第四夫人とはいえ、性交用奴隷だ。むしろ、性交奴隷になると宣告してもらいたかった。第四夫人ということばに紅は嘔吐感をおぼえる。
(第二章 アラーギ一族 4項)
マルカーンに面会した時点で、自分はマルカーンの性交奴隷として拉致されたことのだと、紅は認識しています。



「性交用奴隷か」
拝郷樺介は、神長の貌をみた。
(第二章 アラーギ一族 1項)
また、紅拉致の直後に、夫の拝郷にも、外事警察に所属する友人の神長より情報がもたらされています。
胤つけ専用性交奴隷なので、拉致する側に紅への配慮や人違いだったときの対応は全くありません。やるだけやって、人違いだったら殺して埋めてしまえばいいとでも考えていたのでしょう。
それ故の「全裸に剥いての拉致」だったのです。

このときの紅には、事件の背景にそのような事実があることは知る由もないのですが、それにしても「全裸で拉致される」理由が紅への凌辱以外にはなく、表向きは「夫の捜査がらみ」と考えようとしていますが、単に「紅の体目当て」でないとしたら、それ以外の可能性の一つとして、性交の絶頂時に右掌に血の葉脈模様が浮かぶことが何らか関係あるかもしれないと、考えたでしょう。
おそらくそのことに確信が持てなかったのは、母から、他人には「血の葉脈模様」を決して見せてはいけないといわれていたため、知っているのはいまや夫の拝郷樺介以外には誰もいないはずだからです。

紅も、葉脈紋様の謎については興味があったでしょうし、それが謎を秘めているのだとしたら解けるかもしれないとの期待もあったでしょう。

そのこともあり、事態を冷静に眺めようとの判断ができたのかもしれません。



車がガレージに入った気配がした。
トランクが運び出された。
担いで、運ばれた。
トランクが開けられた。
紅は引き出された。
ベッドルームであった。紅はベッドに放り出された。三人の男がいた。三人とも四十前後の歳にみえた。その一人が紅の口を塞いだガムテープをはがした。足の縛めもとった。手だけはそのままだ。
「外してやりたいが、おまえさんの手は危険すぎるのでね」
男は冷たい目で紅を見下ろした。
男は、紅の両の掌を調べた。
「理由が、わかったかね」
「わからないわ」
「そうか」
「人ちがいをしているのではないの」
「かもしれん。もしそうなら、じきに釈放してやるさ」
「そう」
紅は、瞳を閉じた。
男が掌を調べたことで、拉致された理由がわかった。
三人の男の視線が股間にそそがれている。
凌辱されることを覚悟した。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
ここに至り紅はようやく、拉致された理由に確信が持てました。
男たちの目的はやはり「血の葉脈模様」だったのです。
ということは、紅が100パーセント凌辱されることは確定でした。
それも、紅が感じて逝くようにたっぷり時間をかけて愛撫され、そのあとの長い挿入の責めも容易に想像できました。
男は三人もいます。
しかも若造ではない、女の経験は充分ありそうな男たちです。

さてここである事実が明らかになりました。
それは、紅の目の前にいる男たちはいずれも怪我をしていないという事実です。
これはどういうことでしょうか。

それは、拉致実行犯たちと凌辱しようとしている男たちは別人だということです。
男たちのだれも目や胸に負傷をしていなかったことから、拉致を担当した連中とは別の人物であることはたしかです。
彼らの目的は紅に葉脈模様を出させることであり、それには紅を確実に拉致し、また拉致したあとは痣を確認する必要があったからです。
紅拉致にあたり、謎の組織はそれぞれの分野におけるエキスパート、手練れを用意したのです。

これでようやくナイフで刺されても軽傷程度で済んだ(ナイフが胸に刺さっても、小さくうめいただけ)理由が明確になりました。
ナイフに対抗できるということは、おそらくは防刃チョッキの類でしょう。
拉致のエキスパートですから、多少の手荒い修羅場は日常茶飯事の男たちなのでしょう。また、当然のこととして五人の男は全員、紅の反撃を予想し、防刃チョッキを着込んでいたのです。
部屋に残された果物ナイフにAB型の血が付着していたとあることから、致命傷にはならなかったようですが、ナイフは防刃チョッキの一部を貫通していたことになります。
着ていなかったら、男は即死だったでしょう。

また、全裸で拉致に成功した時点で、紅は男たちに痣をみられることは確定となってしまいました。
実際、凌辱を担当する男たちは、拉致担当の実行犯とは違い、セックスで女を喜ばせる(確実に逝かせることができる)その道のプロでした。
そのことは、紅もうすうす感じていたでしょう。
そのため、このときの紅は、感じてしまっても、せめては逝かないようにしようと抵抗を考えるのがせいぜいだったのです。



「すばらしい、体だぜ」
男の声がかすかにおののいている。
男の手が股間に入った。別の男の手が乳を握った。紅は太股を押し拡げられた。
三人がかりでの凌辱がはじまった。
紅は固く、瞳を閉じていた。
二人の男が性器を愛撫している。一人は両の乳にかかっていた。
「どうだ、いいだろう」
乳を揉んでいる男が、ささやいた。
「人妻が、三人の男に犯されている。三人がかりで愛撫される。こんなことはめったにあることではない。存分に愉しむんだ。どんな女だって、強姦されたいという欲望はある。何人もの男に犯されてみたいと思う。しかし、たいていの女は、思うだけだ。こんなふうに実際にやられることはない。おれたちは人ちがいをしたわけではない。あんただ。あんたが必要だったのだ。しかし、痛めつけたり殺したりしようというのではない。その逆だ。大切にする。あんたは王侯貴族になれる。実際に、そうなる。いつでもこんなふうに何人もの男に仕えさせることができる。貧乏刑事の女房でいることはない」
男はささやきつづけた。
紅は歯を喰い縛っていた。意志力で快感を押さえていた。どこともわからない深い淵から湧き上がってくる快感を喰い止めていた。二人の男は巧みに指を使っている。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
朝の片づけ中に突如侵入した男たちに全裸に剥かれた紅。
そのため、朝起きたあとシャワーを浴びたかどうか、微妙な時間帯に紅は拉致されてしまいました。
男たちは全裸の紅を責める際、二人の男が下半身を受け持ちました。
しかしその記述には、紅の性器を舐めた描写はありません。
男たちの目的は、単に紅を凌辱することではなく、紅を感じさせて逝かせることです。
女性を感じさせるには。指より口唇での愛撫の方が確実に効果が高いと思われるのに、このときはなぜ指を選択したのでしょうか。

微妙な時間帯だけにおそらくは紅は歯は磨いても、シャワーは浴びていなかったのではないかと想像できます。専業主婦である紅ですから、時間には追われておらず、通常、シャワーを浴びるのは朝食の片づけ後だろうと思われます。
拉致担当班は拉致実行前に、数日間、拝郷家の日常のスケジュールを確認したのちに実行におよんだでしょうから、当然、紅がいつ起床し、朝食を作り、拝郷を職場に送り出し、そのあと紅がシャワーを浴びるのはいつか等、しっかり確認し実行計画を立てた上での、拉致実行だったでしょう。
彼らの目的は紅を確実に拉致することです。
そのため、その阻害要因たる夫の拝郷が確実に自宅におらず、かつ、在宅している紅がもっとも油断している時間帯であれば、紅がシャワーを浴びていようが、浴びずに汚れていようが、それはどうでもよかったのです。

そのため、凌辱班の男たちは、紅がシャワーを浴びる前に拉致班が犯行におよんだことを知っていました。

夫婦ですから、拝郷と紅は子作りに励んでいたかもしれません。そのため、前の晩、膣に出された拝郷の精液を適当な処理で寝てしまったかもしれません。
またあるいは、朝の排尿時についたトイレットペーパーの屑が性器にこびりついたままの状態だったかもしれません。

どんなに美人であっても、さすがにそんなところに口をつけるのは憚られるでしょう。


さらにもうひとつの理由が考えられます。
性器を口にする行為というのは、大概は下の立ち位置にいるものの行為です。
人体でももっとも汚れた部位を口にするわけですから、上の立ち位置にいる相手へのご奉仕の意味合いがあるわけです。

「峠に棲む鬼」でも、麻紀子の性器を舐めたのは、主にそのときの麻紀子より立場が下のものたちでした(麻紀子の美しさに心を奪われるとか、気を引きたいとかの理由も、下に立っていると考えられます)
また、麻紀子が男根を口にする(ご奉仕)ときは、つねに男に犯されるときでした。


つまり、紅を拉致した男たちは、いずれも紅より立ち位置が上なので、性器を舐めなかったとも言えるでしょう。


このふたつの理由(設定)で、男たちは紅の性器を指のみで愛撫したことは間違いないようです。

さてつぎに、男たちの愛撫の詳細について、検証してみましょう。
”二人の男が性器を愛撫している”とあることから、一人はクリトリスを、もう一人が膣を愛撫したことは間違いないでしょう。
詳細な描写はありませんが、おそらくは紅の太ももを左右に大きく拡げ、片手の指で左右それぞれの陰唇を摘んで引っ張り、性器を剥き出しにして、眺めながらもう片方の指で執拗な愛撫を繰り返したのでしょう。
やさしくクリトリスと膣を愛撫されつづけ、男の囁きのことば責めと相まって、紅はすぐに濡れてしまったでしょう。
一度そうなれば、もう男に止める気がないかぎり、紅にはどうしようもありません。
溢れてきた愛液を潤滑油にして、クリトリスとGスポットを責められ、紅はギリギリのところまで追い詰められてしまいます。



「ほら、乳がこんなに固くなったぜ。奥さん、奥さんは三人の男に犯されているんだ。気持ちがいいだろう。いまに、交互に入れてやるぜ。奥さんは四つん這いになる。うしろからもやられるんだぜ。もうすぐ、堪えられなくなる。声をたててもいいんだぜ。ほら、きれいな腹が波打っているじゃないか」
男は乳を揉みながら唇を重ねてきた。
男は紅の舌を引き出して吸いはじめた。
舌を吸っている。乳を揉んでいる。性器には二人がかかっている。男、男、男ー体中に男が充ちていた。執拗に、たくみに、男、男、男が、女を責めたてている。
脳裡で砕けそうになるものがあった。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
紅の心が折れた瞬間でした。
人妻である紅が、夫以外の男に身も心も屈服したのです。
すでに、夫以外の男根を、喜んで受け入れる準備は整っていました。乳首を勃起させていることは、男が指摘しています。また、おそらくは、紅の性器は愛液でトロトロになっていたでしょう。
男の巧みな愛撫を喜ぶように、腰を打ち振っている姿が想像できます。
男に唇を奪われているため声こそ出せませんが、紅の洩らすうめきが部屋に響いていたでしょう。



数分がすぎた。
「さあ、そろそろ、本番だぜ、奥さん。これから三人の男に交互に犯されるんだ。奥さんは声をたてる。叫ぶ。そう、叫ぶんだ。泣くんだ。失神するまで責められるんだ。さあ奥さん、本番いくよ」
乳から手が離れた。
男が、紅に跨ってきた。
手首の縛めが解かれた。両手で二人の男の怒り立ったものを握らされた。跨った男が挿入している。ゆっくり、責めはじめた。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
とうとう、紅の膣に、夫のものではない男根が入ってきました。
トロトロヌルヌルになった膣は、なんの抵抗もなく、巨根(根拠は後述)を受け入れてしまいます。
男は正常位で、ゆっくり紅を責めたてます。
それでも紅は拒みません。
この時点では、紅も男のいうとおり、失神するまで男三人相手のセックスを堪能するつもりになっていました。ついさっきまで極秘扱いだった葉脈模様ですが、みられようがもうどうでもよくなってしまったのです。
もう声を我慢する必要もありませんでした。
男根が挿入された瞬間、紅はのけぞり、うめきを洩らしていたでしょう。

そして「本番」に入っても、男たちの三位一体攻撃は停まりません。
まるで、例のあれ、ジェットストリームアタックのように、つねに紅に複数プレイを意識させる動きをつづけます。



もう一人が胸に跨った。
男に男根を押し込まれた。
しばらくその責めがつづいた。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
とうとう紅は口に男根を含まされてしまいました。
膣と口、右手(左手?)すら男たちに奪われ、紅はもう絶頂までまっしぐらに突き進みます。

さて、この膣と口を同時に責められる表現ですが、西村作品では珍しい体位の表現です。世間ではいわゆる「焼き鳥」とか、「串焼き」などといわれる体位です。
このときはもう三人目も責めに参加しているので、強いていえば「シュラスコ」と命名すべきでしょうか。

このとき、一人が正常位で責めながら、もう一人が紅の胸に跨っています。跨ったといっても、どっしり体重をかけて乳房に座ったのではなく、両膝を突いて胸の上に跨ったのでしょう。
この状態で紅に男根を含ませるには、どの程度の男根の長さが必要になるでしょうか。

紅に男根の威力を見せつけるためには、当然、唇に触れるだけとか、亀頭部分だけ口に含ませればいいというわけにはいきません。ある程度まで深く、ひょっとすると喉の奥まで含ませたのかもしれません。

おおざっぱですが、この描写から男の男根の長さを推測してみましょう。

例えば、西村作品に使用されている女性の裸体写真で、角川文庫発行の単行本「化石の荒野」のカバーの表紙に使われているものがあります。
全裸の後ろ姿の長い髪の女性が足の先だけ水に浸かっている写真なのですが、たしかに非常にバランスのとれた、美しいとしかいいようのない裸身です。
この彼女の裸体を写真から数値化してみました。

実測数値を例えば身長160センチと置き換えると、股下80センチ、胴の長さ(首含む)60センチ、頭部20センチとなります。
乳首の位置が胴体部の1/4近辺なので、乳首から喉までが20数センチ、喉から口までは3センチ程度となるため、単純に跨っただけでは口まで25センチあってもやっと届くだけになってしまいます。
ただし、人間には腕と肩があり、この両者を避けて床に膝をつけなくてはならず、具体的にそちらを踏まえての数値を検討してみましょう。

「紅の胸に跨った」と一言でいっても、膝が床につけられるのは二つのパターンがあります。
まずひとつは、紅の鎖骨の上(肩の上側)に膝を突く方法。
もうひとつは乳房に跨る感じで、両腋の下に膝を突くやり方です。

腋の下なら男の腰の厚みがあっての、男根なので、男根の位置は紅の鎖骨下部あたりからはじまることになるでしょう。
この位置からなら男根の長さは13センチですみ、さらに口の中に入れるとなれば20センチもあれば充分でしょう。亀頭が5センチ、陰茎部が20センチ、計25センチが妥当と思われます。

つぎに男の膝の位置が紅の肩の上にある場合ですが、これはもう何センチでも口に含ませることが可能です。
そのため、ここでは「胸に跨った」との描写の通り、”男は紅の両腋の下に膝を突き、男根を口に含ませた。”と推測することが妥当と思われます。
あるいは、紅の頭髪を掴んで引き寄せ、亀頭を喉に突かえさせ、嘔吐に苦しむ姿を愉しんだかもしれません。

さて、25センチの男根と一言で言っても、日本人の平均値を大きく上回っています。
日本人男子の平均ですが、ある資料によれば、「全長(亀頭含む):13.9センチ、横幅:3.9センチ、亀頭部分の幅:4.0センチ」というデータがあります。
25センチの長さの男根ですから、巨根といえるでしょうし、太さも相当なものと考えられるでしょう。
単純な比例計算では7センチになりますが、これは少々オーバーですね。5センチ程度が適当なのではないでしょうか。

いずれにしても、太くて長い男根を口に含まされ、美しい紅の貌は、典型的な縦長の卑猥な形に変形させられていたのです。



胸の男が、下りた。
責める男の動きが早くなった。
ああと、紅は叫びを放った。
両手は二人の男に押さえられている。
紅は叫びつづけた。
紅の右手を押さえた男が、出た! と小さな叫びを放った。
右手の拇指の内側の肉の厚い部分に紅の紋様があざやかに浮き出ていた。一枚の葉の形をしていた。繊細な葉脈がくっきりと描かれている。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
紅の発する声、体の反応などで、紅が絶頂直前なのがわかり、男根を口に含ませていた男は体を離します。
そしてダメ押しのように紅を責める男が動きを早めると、その直後、紅は絶頂に達します。
はじめこそ感じるのを我慢をしていた紅ですが、男たちのテクニックと巨根に堪えきれず、とうとう葉脈模様をみられてしまいます。
”紅は性交の絶頂時のみ、右掌に血の葉脈紋様が浮かぶ”と作品の紹介文章に記載されているので、この瞬間に紅が逝かされたことは事実でしょう。
人妻である紅が、夫のものではない男根の責めに屈服してしまったのです。
一度逝きはじめると、三人の男すべてが果てるか、男の宣告通り「紅が失神する」までは、逝くのを止められません。
失神に至る連続絶頂のはじまりでした。

明確な描写こそありませんが、紅の身に起きた二つの事実について考察したいと思います。
ひとつは、紅は気持ちのよさにどうにも堪えきれず、逝く瞬間、大きい声を放ってしまったということ。
もうひとつは、逝った証明ともいうべき「膣の痙攣」を起こしてしまったということです。


紀魅は、瞳を閉じた。三人で入れ替わりの凌辱が思われた。自身の姿態が思われた。紀魅は自分を責める男根に屈服した。無残な屈服であった。膣は男たちのものとなった。紀魅のものではなかった。精液を絞り取るために膣は収縮をつづけた。
(花に三春の約あり 第三章 鷲の巣 1項)
女性が逝くときには膣に痙攣を起こしますが、この紀魅の記載と同じく、「膣の収縮」が紅にも起きたわけです。
紅の状況を想定し、時系列順に並べると、
(1)逝く寸前に泣くよう声で逝くことを告げる(いつもの癖で、つい口にしてしまう)
(2)逝った瞬間、大きな声を放つ、あるいは逝くと叫ぶ(絶頂時)
(3)緋色に染まった貌をゆがめ、歯を喰い縛る(同上)
(4)大きな腰部の痙攣と、打ち振られる黒髪。それにつづく全身の太い硬直(同上)
(5)若干の無呼吸あるいは声を発するのも困難な状態が継続(同上)
(6)膣の痙攣ののちに訪れる下半身の痙攣
(7)はげしい呼吸とあえぎ、泣き声の復活

記述によれば、責めの間中、紅の紋様は常に出たままになっています。
つまりは、責めの最中はずっと紅は逝きつづけていることを表しています。「逝く」と泣き叫び、何度も硬直と痙攣を繰り返していた(失神するまでは無限ループ)でしょう。

そしてさらには、
(8)逝きすぎて、呼吸困難となり、途中で「もう死んじゃう」「許してください」などと許しを乞う
(9)紅の懇願を無視し、男たちは責めを続行(紅の名器を味わいつづける)
(10)紅、連続痙攣

とつづくことになります。


「妖しの花乱れにぞ」に、このときの紅と同じく連続絶頂に陥った女性の記述があります。


たてつづけの性交だから男は長持ちがした。
ああッ、ああッと、マリアは胸中で声を洩らしていた。
無我夢中になりつつあった。
マリアは匪賊に屈した。
声を洩らしてしまった。堪えられない。男根は巧みに出入りしている。マリアは尻を上げた。そして、短く叫んだ。
男が誘われたように射精した。
~略~
男が尻に跨った。精液が流れ出ている。
マリアはまたつづけて、いった。どうしてだか、とまらなかった。はじめての経験であった。
いきつづけた。別の男に替わった。精液は溢れ出ている。それを押し分けて男根が入って来た。
マリアはその男根でもいった。
たすけてー胸中で叫んだ。
殺される、一突きされるたびにいく。死ぬと思った。
マリアは意識を喪った。
引き出されたときにはマリアは朦朧状態にあった。何人の男にやられたのかわからなかった。
(妖しの花乱れにぞ 第四章 地底の黄金都市 7項)
マリア・フェンテスは身長百六十。イタリア系で、髪はブロンド。ブラジル政府直轄の特殊部隊「必殺隊(エスクワルド・デ・モルテ)に所属する秘密隊員なのですが、取り締まりにあたっていた犯罪組織「ジャララックス)にとらえられ、性交奴隷として凌辱の限りを尽くされます。

このときのマリアの相手をした男は六人で、前からうしろから最低でも二回ずつ責められ、合計で十二回は責められたようです。
紅の場合は相手は三人ですが、男たちはその道のプロなので、時間的にも、テクニック的にも紅をここまで追い込むには充分だったでしょう。


男は責めつづけて、はてた。
すぐに別の男に替わった。その男は紅を這わして後背位で犯しはじめた。紅はシーツを掴みしめた。声をたてつづけた。わけがわからなくなっていた。波濤がなんどもなんども押し寄せている。
三人目の男は両足を抱えて紅の体を折るようにして責めはじめた。
傍に立った二人の男は、紅が眠ったのをみた。すっと、昏睡に引き込まれたのをみた。
右手の紅の紋様が失せた。
(第一章 葉脈の紋様 1項)
男たちの責めはさすがにその道のプロといえるでしょう。
その責めは三段階に別れています。
はじめの男は正常位で膣の入り口付近を中心に責めたて、紅を絶頂に導いています。
つぎの男は後背位で、入り口から中あたりまでを責め、これまた連続して逝かせ、最後の男は屈曲位で子宮口をがんがん責めたて、失神に追い込んでいます。
三人の男たちに理想的な責め方をされ、さすがの人妻紅もメロメロになってしまいます。



紅は床に頽れていた。
ピートはいなかった。股間に多量の精液を呑んでいた。失神から覚めたが立つだけの気力はなかった。ピートの緩慢な責めに紅は何かを突き破られた思いがした。たてつづけにその衝撃が紅を襲った。巨根が責めている。それと自身の性器のみが意識にあった。衝撃は紅を埋め尽くした。死ぬと、紅は思ったことをおぼえていた。
そこから先は、闇の中にあった。
~略~
紅はぼんやりとピートの巨根を思った。大小は女を満足させる要素ではないとその道の先達は説く。ウソだと思った。膣を完全に占領したピートの巨根の責めは想像を絶するものがあった。
女であることが哀しかった。
意識を喪った紅の尻を抱えてピートは射精したのだ。紅に与えた衝撃をピートは自慢して部屋を出たのにちがいない。男根で征服した女の頽れた裸体をみながら。
女とは男根に支配される生きものなのかと思った。
(第一章 葉脈の紋様 3項)
のちのエピソードですが、紅は巨根が好きであるとの明確な記載が出ています。
その紅を失神まで追い込む男たちですから、男根を含ませた男だけでなく、三人全員が巨根の持ち主なのでしょう。

大好きな巨根に死ぬほど責めたてられ、もう、紅の脳裡には夫への後ろめたさも背徳心もありません。


女性のオーガズムと一言で言っても、大きく分けて3パターンあるといわれています。

(1)オーガズムに近い状態(いけそうでいけない)が継続。
(2)オーガズム1回で終了(典型的なオナニーのパターン)。
(3)複数回のオーガズムを得られる(膣で逝く理想的なパターン)。

今回の紅はパターン3にあてはまります。
1回いったあとも、何度もつづけて逝きつづけるパターンです。
人妻であること、葉脈模様をみられてはいけないという、ふたつの強い理由があり、更には後述で述べますが、名器の持ち主でもある紅をここまで追い込む男たちのテクニックは羨ましいかぎりです。

紅は最後には白目を剥いて失神してしまいます。
これ以上、快感がつづけられると破壊される危険があると紅の脳が判断し、それを恐れて、快感を遮断するため意識をシャットアウトしたのです。

セックスのエキスパート集団、おそるべしですね。



おまえを放すことはない。東洋の女ははじめてだ。膚がきれいだ。ここの女どもときたらここがでかくてどうにもならんと、ホルベアは、紅の性器に指を入れた。
(第四章 氷河の爪痕 3項)


弾力のある膣がマルカーンを締めつけている。
(第四章 氷河の爪痕 7項)

2カ所の記述にあるとおり、紅は名器の持ち主のようです。
謎の組織は紅を確実に絶頂に導くため、三人のエキスパートを用意したのは事前のリサーチ力の結果だと思われ、過去の男性経験を調べる課程でその事実(名器)を知ったことによるものと思われます。

この後の展開ではあるのですが、拉致された紅は眠らされてタンカーに積み込まれ(密航)、紅誘拐の黒幕であるアラブの大富豪アブドル・マルカーンの待つ中東の地に連行されます。
その道中、紅とともにタンカーに同乗したのが、セックスのエキスパートとして紅を凌辱した3人の男の一人、館と呼ばれている男でした。


紅の世話はすべて館が受け持つ。
館は紅を日に一、二回は弄んだ。
紅はつねに手錠をかけられていた。性交の際にも外されることはめったにない。館は紅の手をおそれていた。外すときには極度に警戒する。
~略~
紅は全裸だった。館は、武器となるものを隠すことをおそれてたいていは全裸にしておく。
(第一章 葉脈の紋様 3項)
一日で1、2回とあることから、館は紅の体に執着しています。
相当、紅の味がよかったのでしょう。


左菊はバスルームから引きずり出された。
「あなたがたは、だれなの」
「睦月島でおまえを抱いたおれたちのボスが、偶然、この山荘村に来た。そこで、味がよくて忘れ難かった、連邦警察秘密捜査官、尼子左菊の姿を幸運にも目撃したってわけさ」
「そうなの」
「覚悟しな。もう二度と陽の目は拝めないぜ」
男の手が裸の尻を掴んだ。
(頽れた神々 第四章 脳と毒 4項)
御大の別作品にも、登場する女性キャラの名器のことが描かれているものがあります。
左菊同様、紅も名器ゆえに、一度抱かれた男に執着をもたれたのかもしれません。

また、館が紅を弄びつづけたもうひとつの理由が考えられます。
館はセックスのエキスパートとの設定なので、別のことばで言えば「性の調教師」とも言えるでしょうが、つまりは、紅を中東に連行するに当たり、時間を要するタンカーをやむを得ず使用したのではなく、長い道中で紅を調教しつづけ、反抗心を削ごうと事前に計画されていたものだったのかもしれないということです。


鬼無麻里は人売組織の手に落ちたままになっていた。
麻里が売られたのは八月十七日であった。
今日が八月二十四日だからちょうど一週間になる。
~略~
女殺しが専門の小城舞なる男に麻里は釣り上げられた。一夜の情事のあとで麻里は男二人の中継屋に渡された。そこでいきなり裸に剥かれて鎖をかけられた。二人の中継屋は嬲りになぶった。それが仕事だ。女に性交奴隷に堕ちたことをわからせてこれまでの人生を諦めさせる。そのためにありとあらゆる犯しかたをする。いきなり競り台に立たせると発狂しかねないからだ。
麻里は山中での競りにかけられた。
仲買人に競り落とされてどこかに売られたはずだ。鎖に繋がれて飼われている。電話などをされてはことだから鎖は外されることはない。飼い主は好きなときに好きなように弄ぶ。SMでもなんでもしたいほうだい。
弄ばれている麻里の裸身を左菊は思った。
(頽れた神々 第四章 脳と毒 3項)
紅の運命はまさにこの麻里と同じだったでしょう。
場所は絶対に脱出不可能な大海のど真ん中。
そこで、紅は毎日、1、2回のセックスの調教を受け、その都度、何度も絶頂に導かれています。
そんな性の調教を受けながらも、待ち受ける運命は王侯貴族になれると囁かれる日々。
そのうちに紅もそんな人生なら悪くはないかとなかば諦めに似た感情を持つようになったのでしょう。
すなわち、この調教の日々は、王侯貴族になるのと引き替えに、その性に仕えるものであると、紅に受け入れさせることが目的だったのかもしれません。

事実、紅がその諦めともとれる感情を浮かべている描写があります。

(21)
紅は諦めていた。
夫の拝郷は警視庁刑事だ。懸命になって捜索しているにちがいない。だが、紅は海にいる。船がどこかの港を出港してから五日になる。日本の領海はとうに出てしまっている。
外国に連れていかれることは覚悟していた。
(第一章 葉脈の紋様 3項)
気の強い紅もこの時点ではすべてを諦め、館のことばに縋っていることが描かれているのです。


さて、最後にひとつ、気になる記述があります。
それは、男たちはいずれも紅の膣内に射精しているということです。
紅拉致の黒幕であるアブドル・マルカーンの一つ目の目的は、紅におのれの胤を孕ませて、アラーギの丘に立たせることです。
そのマルカーンが、自分ではない、赤の他人の胤を孕む可能性のある凌辱(膣内射精)をなぜ許可したのでしょうか。
日本では異端だった歴史学者「堂本常久」の新聞投稿をみて、紅まで辿り着いたマルカーンです。
1回の生理期間で、女性の受胎できるタイミングは数日と限られています。上述されていますが、ありとあらゆる紅の情報を収集しているマルカーンですから、例えばそのひとつとして拝郷家から出されるゴミの中から、紅の使用済み生理用品の出される頻度を調べ、生理周期を調べることなど容易だったのかもしれません。


イラストは、徳間ノベルズ版「裸の冬」表紙、帯、P93、P191 組織に拉致された紅を描いたものになります。
イラストレーター金森達先生の傑作です。
また、化石の荒野の表紙に記載されている女性の写真についても紹介させていただきます。
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★著者:金森達

★販売元:徳間書房、角川書店

★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。

★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。

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